日本酒のつまみ、何にする?|実際に合わせた肴と相性の話

日本酒のつまみ、何にする?|実際に合わせた肴と相性の話

「日本酒は用意したけど、何をつまみにしよう」と、毎度少し足が止まる。

ペアリングというと難しそうですが、実はコツはシンプルです。お酒と肴の「味の方向」を合わせるだけ。キリッと辛口の酒にはさっぱり・塩気のあるもの、旨みのある酒には出汁や発酵の効いたもの——この大枠さえつかめば、大きく外しません。

この記事では、その原則を整理したうえで、私が普段の晩酌で実際に合わせて旨かった肴を中心に紹介します。あわせて、「これは少し課題があるな」という組み合わせも紹介します。うまくいった話だけより、外したことがある例も知っておくと、実際の家飲みでは役に立つはずです。

この記事でわかること
– ペアリングの超シンプルな原則
– 辛口の酒に合う、鉄板のつまみ
– 出汁・旨みでつなぐ、間違いない組み合わせ
– 梅干し・梅酒の楽しみ方
– 合わせるときに気をつけたい“惜しい”組み合わせ


目次

まず原則|「味の濃さ」と「方向」を合わせるだけ

ペアリングで迷ったら、難しい理屈は一旦おいて、2つだけ意識すれば十分です。

ひとつは、味の濃さを合わせること。淡麗ですっきりした酒には軽い肴を、コクのある濃い酒にはしっかりした肴を。どちらかが強すぎると、片方の良さが消えてしまいます。

もうひとつは、味の方向を合わせる(または補い合う)こと。塩気には塩気、旨みには旨み、酸には酸。あるいは、脂を酸でさっぱりさせる、といった“補完”もうまくいきます。

そしてもう一つ、日本酒には強い味方があります。出汁(だし)です。日本酒も和の出汁も、旨み成分でつながっているので、出汁の効いた料理はたいていの日本酒と仲良くなります。迷ったら出汁、と覚えておくと安心です。


辛口・キリッとした酒に合う肴

春鹿の超辛口のような、キリッとした淡麗辛口。これに合わせると楽しいのが、塩気や発酵、酸の効いた“渋め”のつまみです。私がよく合わせるのは、このあたりです。

  • ポテトサラダ:意外に思われますが、辛口でさっぱり流すとエンドレスにいけます
  • 燻製系(チーズ、ナッツ、ささみなど):香ばしさと塩気が辛口の余韻に乗る
  • なめろう:味噌と薬味の旨み、青魚のコク。辛口がそれを受け止めて流してくれる
  • ぬた和え:酢味噌の酸と甘みが、辛口にちょうどいいアクセント
  • ホタルイカの酢味噌:ワタの濃厚な旨みとぷりっとした食感を、酢味噌でさっぱりまとめた春の一品。辛口がぐいぐい進む

共通しているのは、「塩気・発酵・酸」のどれかがあること。キリッとした酒が口の中をリセットしてくれるので、味の濃いつまみほど箸が進みます。


出汁・旨みでつなぐ、鉄板の組み合わせ

「とりあえず外したくない」なら、出汁と旨みでつなぐのがいちばん確実です。

まず。出汁の効いた鍋は、日本酒の鉄板の相棒です。特別なものでなくていいんです。寄せ鍋や水炊き、それに季節外れですがおでん——こうした家庭の出汁鍋で、もう十二分に旨い。鍋の出汁に酒の旨みが重なって、最後の一滴まで楽しくなります。

もう少し贅沢をするなら、これまで記事でも取り上げた鱧すきや牡蠣鍋も格別です。淡白な鱧の出汁も、牡蠣の濃厚な旨みも、日本酒をするする進ませます。

鱧や牡蠣そのものの話は、淡路島で鱧を食べた話関西から行ける夏の岩牡蠣に詳しく書いています。

次にだし巻き卵。これは忘れがちですが、間違いのない名脇役。ふわっとした甘みと出汁が、どんな日本酒ともケンカしません。居酒屋でまず頼む一品としても優秀です。


梅干し・梅酒は“酸と甘”で楽しむ

梅干しは、日本酒や焼酎の当てとして昔から愛されてきた組み合わせです。塩気と酸が、お酒をすっきり進ませてくれます。

私のおすすめは、梅干しをきゅうりと和える一品。さっぱりして箸休めにもなり、辛口の酒ともよく合います。鱧を梅肉で食べるのも、同じ“酸でさっぱり”の発想ですね。

梅干しのお取り寄せは紀州梅干しお取り寄せ4選にまとめています。

一方で、梅乃宿のあらごし梅酒・ゆず酒のような果実系のお酒は、個人的には単品でじっくり派です。甘酸っぱさがしっかりしているので、無理に料理を合わせるより、それ自体をデザート感覚で味わうのが好み。とはいえ、居酒屋のコース料理に合わせるように飲んでも、それはそれで悪くは感じません。何より、飲みたいものを飲むのも大事ですね。


正直な話|“惜しかった”組み合わせ

おすすめの肴ばかり並べてきましたが、合わせてみて「これはちょっと違ったな」というものもあります。あまり書かれないので、正直に残しておきます。

ひとつは、塩辛や酒盗。日本酒の定番のアテとして有名ですが、私の経験では、お酒との組み合わせ次第で、かえって生臭さが際立ってしまう日本酒がありました。発酵の強い珍味は、合う酒を選びます。もし生臭く感じたら、その肴とその酒の相性が悪かっただけなので、別の一本に変えると印象が変わることがあります。

もうひとつは、揚げ物。から揚げや天ぷらに日本酒は合うには合います。ただ、口の中の脂をさっぱりリセットする役目としては、日本酒はそこまで得意ではないと感じることが多いです。あの「脂を切ってくれる爽快感」は、やはりビールやハイボールに軍配が上がります。なので揚げ物をさっぱり食べたい時は、私はビールやハイボールにすることが多いです。


よくある質問

Q. 日本酒初心者は、まず何を合わせれば失敗しませんか?
出汁の効いたもの(鍋、だし巻き卵、煮物)が最も無難です。日本酒と出汁は旨みでつながるので、たいていの銘柄と仲良くなります。まずはここから始めると安心です。

Q. 辛口と甘口で、合うつまみは変わりますか?
変わります。辛口・淡麗には、塩気や酸の効いたさっぱり系(燻製、酢の物、なめろう)がよく合います。甘口や果実系のお酒は、こってりした料理やスパイシーなものと合わせるか、いっそ単品でデザート感覚で楽しむのもおすすめです。

Q. 揚げ物に日本酒は合いませんか?
合わないわけではありませんが、脂をさっぱり流す役目はビールやハイボールの方が得意です。日本酒で合わせるなら、塩やレモンでさっぱりめに食べると寄り添いやすくなります。


まとめ|難しく考えず、「方向」を合わせて楽しむ

ペアリングは、味の濃さと方向を合わせるだけ。迷ったら出汁の効いたものを選べば、まず外しません。

  • 辛口・淡麗:ポテサラ、燻製、なめろう、ぬた、ホタルイカ酢味噌
  • 旨み・出汁でつなぐ:寄せ鍋・水炊き・おでん、だし巻き卵(贅沢なら鱧すき・牡蠣鍋)
  • 梅干し:きゅうり和え、鱧と。果実系の酒は単品でも
  • 気をつけたい:塩辛・酒盗は酒を選ぶ/揚げ物のさっぱり役は苦手

正解を気にしすぎず、「これ合うかな?」と試す時間そのものが、家飲みのいちばんの楽しみだと思います。気になる肴があれば、ぜひ一度、お気に入りの一本と合わせてみてください。

奈良の地酒で合わせてみたい方は、奈良の地酒おすすめ5選奈良の夏酒おすすめ5選もどうぞ。

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