寒くなると、焼いた牡蠣が食べたくなりませんか。
できれば産地で、好きなだけ。
かき小屋は、関西から車で行ける範囲だと三重・兵庫・京都北部などにあります。数がまとまっているのは三重と兵庫のほうです。
私が行ったのは三重・鳥羽の浦村。伊勢湾に面した、牡蠣の産地です。
ただ、調べてみて意外だったことがあります。それは同じ「かき小屋」でも、店によって形式が違うことです。 自分で焼くのか、店が焼いてくれるのか。制限時間が60分なのか、無制限なのか。
この記事では、3つのエリアと、店をどう選ぶかをまとめます。
関西のかき小屋 早見表
| エリア | 産地 | シーズン | 料金の目安 | 予約 |
|---|---|---|---|---|
| 三重・鳥羽 | 浦村かき | 10月末頃〜翌3〜4月頃 | 食べ放題 2,800〜5,500円 | 事前予約が必須 |
| 兵庫・播磨 | 相生・赤穂・坂越 | 12月〜3月頃 | 食べ放題 2,000〜3,300円 | 事前予約がすすめられている |
| 京都・舞鶴 | 舞鶴湾 | 12月〜4月頃 | 殻付きマガキ2,200円(鶴昇丸の例) | 完全予約制・前日まで |
観光三重によれば、浦村へは名古屋から車で約2時間、大阪から約3時間。伊勢神宮の内宮からは約35分です。
かき小屋は、店によって中身が違う
浦村だけで、観光三重が紹介している店が17軒。どこも「牡蠣食べ放題」と書いてあるので、つい値段で選びたくなります。
ただ、中身を並べてみると、値段以上に差が出るところが3つありました。
自分で焼くか、店が焼くか
これがいちばん大きい違いです。
自分で焼く店は、殻付きがどんと置かれて、あとは好きにどうぞ、という形。焼き加減は自分の判断になります。
店が焼いて出してくれるところもあります。焼くのも蒸すのも店側なので、こちらは食べるだけ。
どちらが好きかは、はっきり分かれるところ。 予約の前に見ておく価値があります。
制限時間が、60分から無制限まで
ここも店によって全然違います。
牡蠣は火が通るまでに時間がかかるもの。焼いている時間も制限時間に入るので、60分の店と90分の店では、食べられる数がかなり変わります。
無制限の店もあります。時間を気にせず食べたいなら、そこから探すのが早い。
生牡蠣があるか
焼きと蒸しだけの店と、生牡蠣も出す店があります。
生で食べたいなら、予約の前に見ておくのはここ。「生牡蠣は年内まで」としている店もあります。
浦村の主な店
観光三重が紹介している店から、違いがわかるものを並べます。
| 店 | 食べ放題 | 制限時間 | 焼き方 | 生牡蠣 |
|---|---|---|---|---|
| マルナカ水産 | 2,800円 | 90分 | 店・自分どちらも | あり |
| 山安水産 | 3,000円 | 無制限 | 自分で(焼きのみ) | なし |
| BBQセンターモンキー | 3,100円 | 90分 | 店が焼く・蒸す | なし |
| 与吉屋 | 3,500円 | 60分 | 店が焼く・蒸す(薪火) | あり |
| かき丸 | 3,500円 | 90分 | 自分で(蒸しは店員) | あり(年内) |
| スギムラ水産 | 3,600円 | 90分 | 自分で(蒸しは店) | 要確認 |
| 丸善水産 | 3,850円 | 80分 | 自分で(焼きのみ) | 要問合せ |
| モトかき養殖場 | 4,000円 | 90分 | 店が焼く・蒸す | なし |
| まっちゃん食堂 | 5,500円 | 120分 | 自分で(七輪) | なし |
※丸善水産だけは、鳥羽湾に浮かぶ海上の屋形で食べる店です。料金はいずれも大人のもので、観光三重の掲載内容によります。カキ飯や味噌汁、カキフライが付く店もあり、内容は年ごとに変わります。
3,000円で無制限の山安水産と、5,500円で120分のまっちゃん食堂。 値段の順に並べても、どちらが得かは決まりません。
三重・鳥羽の浦村で食べた
私が行ったのは、鳥羽の浦村にあるかき小屋です。2023年の3月、シーズンでいえばもう終盤でした。
食べ放題で、出てきたのは金属のバットに山盛りの殻付き。値段にも量にも満足しました。

浦村は鳥羽市の東側、伊勢湾に面した入り江です。鳥羽市観光協会によれば、栄養豊富な海水が入り、波が穏やかで、海水と真水がほどよく混ざる。その環境で、牡蠣は1年で収穫できるまで育つそうです。
泊まりにするなら
鳥羽まで何時間もかけて、その日に帰ってくるのはもったいない気もします。
鳥羽には温泉の宿が40軒以上あって、伊勢神宮の内宮までは車で35分ほど。かき小屋を昼に入れて、そのまま泊まるという組み方ができます。
兵庫・播磨のかき小屋
もう一つの選択肢が、兵庫県の播磨エリアです。相生、赤穂、坂越のあたりに、かき小屋が集まっています。
旬は12月から3月。三重より遅く始まります。
相生の「焼がき 大豊」は、食べ放題が45分2,000円、60分2,700円、90分3,300円の3コース。炭火のバーベキュースタイル(料金は兵庫県の観光サイトに載っている体験レポートによります)。
値段は浦村より手頃ですが、そのぶん時間は短め。45分から選べるので、軽く食べて次に動くという組み方もできます。
大豊の公式サイトには「4月より11月末まで、火曜定休日」とあります。冬だけの店ではないということです。
姫路や赤穂の城下町とあわせて回れるのも、このエリアの強み。
京都・舞鶴にもある
京都府の北部、舞鶴にもかき小屋があります。
京都府観光連盟によれば、佐波賀の「鶴昇丸」は冬がマガキ、夏が岩がき。同じ店が、季節で別の牡蠣を出します。
冬の営業は12月から4月頃まで。ただしここが厄介で、京都府観光連盟と舞鶴観光ネットでは、始まりも終わりも半月ずれています。その年の告知を見ておくのが確かです。
料金として紹介されているのは、殻付きマガキが2,200円で1.5kg前後、15個前後。完全予約制で、前日までとされています。
食べ放題があるかどうかは、どの資料にも書かれていませんでした。量や食べ方は、予約のときに聞くのが早いです。
同じ店の夏の岩がきについては、京都北部で岩牡蠣を食べるならに書いています。
どこにするか
3つ並べると、選ぶ基準はだいたいこうなります。
- とにかく数を食べたい → 三重・鳥羽の浦村。無制限の店があるのはここ
- 泊まりで組みたい → 三重・鳥羽。温泉宿が40軒以上あります
- 費用を抑えたい、半日で済ませたい → 兵庫・播磨。45分2,000円から選べます
- 冬以外に行きたい → 兵庫・播磨。大豊は4月から11月末も営業しています
- 日本海側で組みたい → 京都・舞鶴。冬はマガキ、夏は岩がきと、同じ店で入れ替わります
浦村は大阪から車で3時間。日帰りだと往復6時間になるので、そこをどう見るかです。
行く前に知っておきたいこと
服は汚れます
兵庫県の観光サイトに載っている体験レポートに「服は汚れる可能性大」とありました。ポリエステルは熱に弱いので避けたほうがいいそうです。
殻を焼くので、炭や灰も飛びます。汚れてもいい服で行くのが正解です。
牡蠣を焼くときは要注意
これも同じレポートが注意しているところです。殻の中の水分が沸いて、殻が弾けることがあります。
軍手を貸してくれる店もあれば、何も出てこない店もあります。
殻を外すのは、思ったより難しい
ナイフで貝柱を切る作業です。慣れるまで手間取ります。
店が焼いてくれる形式でも、殻を開けるところまでやってくれるとは限りません。焼いて渡されて、そこから先は自分、という店が多いと思います。
調味料は持ち込めることが多い
大豊の場合はこうです。「飲み物と魚介類は持ち込み禁止ですが、それ以外のものは何でも持ち込みできる」(同じ体験レポートより)。
個人的にはさっぱりするレモンやポン酢がおすすめです。ポン酢は塩っ気がやや増すので要注意ですが、何個も食べると味を変えたくなります。七味などの辛味も悪くないと思います。
予約はしておく
浦村について観光三重は「事前予約は必須です」と書いています。兵庫も舞鶴も同じ。
シーズンの週末は特に混みます。行く日が決まったら、先に電話を。
そのときに、軍手やナイフがあるか、何を持ち込めるか、殻は誰が開けるのかまで聞いておけば、当日あわてません。
店の連絡先は各エリアの観光サイトにまとまっています。浦村は観光三重、播磨は兵庫観光ナビ、舞鶴は京都府観光連盟。
生牡蠣は、時期を考える
生牡蠣を出す店なら、生でも食べられます。ただ、時期は考えたほうがいいです。
ノロウイルスによる食中毒は、厚生労働省によれば11月頃から増えはじめ、12〜1月がピークです。かき小屋のシーズンと重なります。
加熱する場合の目安も出ています。
中心部が85℃〜90℃で90秒以上の加熱が望まれます
殻付きを焼くときは、殻が開いてからもう少し、を目安にしてください。
症状は「吐き気、嘔吐、下痢、腹痛」で、潜伏期間は24〜48時間。お腹が弱い方、体調に不安がある方、小さなお子さんや高齢の方は、焼きや蒸しにしておいたほうがいいです。
夏の岩牡蠣は、別の牡蠣
かき小屋で出てくるのは真牡蠣(マガキ)です。夏に食べる岩牡蠣とは別の種類で、旬も逆になります。
島根県によれば、岩牡蠣は出荷できる大きさになるまで3〜4年。浦村の真牡蠣が1年で育つのとは、かかる年月が違います。
夏の岩牡蠣については、別に書いています。
家で食べるなら
かき小屋まで行かなくても、殻付きは通販で買えます。軍手とナイフは要りますが、殻ごと焼く楽しさは同じです。
むき身なら、鍋やフライにそのまま使えます。
よくある質問
Q. 食べ放題の時間は足りますか?
焼いている時間もそこに入るので、60分の与吉屋と120分のまっちゃん食堂では、食べられる数がかなり変わります。数で攻めるなら無制限の山安水産という手もあります。
Q. 自分で焼くのと、店が焼いてくれるのと、どちらがいいですか?
焼き加減にこだわるなら自分で焼く店。焼くのを任せて食べることに集中したいなら、BBQセンターモンキーやモトかき養殖場のような店が焼く形式です。マルナカ水産のようにどちらも選べる店もあります。
Q. 子ども連れでも行けますか?
小学生料金を用意している店が多く、大豊は未就学児が無料です。ただ炭火と熱い殻を扱うので、小さい子の席は大人が挟むほうが安心です。
まとめ
店を選ぶときに見るのは、値段だけではありません。自分で焼くのか店が焼くのか、制限時間、生牡蠣があるか。 値段だけ見て予約すると、時間や焼き方の違いであとから効いてきます。
数を食べたいなら浦村、費用と時間を抑えたいなら播磨、日本海側なら舞鶴。どこも予約が要るので、行く日が決まったら先に電話を。
服は汚れる前提で、調味料を少し持っていくと最後まで飽きずに食べられます。
海のものを、もう少し
- 関西から行ける夏の岩牡蠣|鳥取「夏輝」・京都丹後 — 同じ牡蠣でも、旬は真夏
- 松葉ガニのタグの違い|津居山・柴山・間人と、宿の選び方 — 冬の日本海側なら、カニという手も
- 香住のカニ宿おすすめ2軒を比較 — 泊まって食べた2軒の比較

コメント